空気を断ち切る
日本人は、世界において空気を読むことがとても得意だと言われている。
日本人だけのあるグループの中で最も空気がよめないやつを海外へ行かせたら、そこでできたグループの中では最も空気が読めるやつへと一気に格上げされると言われているほどだ。
空気が読めることは素晴らしい能力であると思うし、日本に生まれてきてよかったと思える要因の一つであることは間違いない。
この能力のおかげか、日本人は人当たりがよいとされ、海外では人気らしい。
実際、日本人を根本的に嫌っている地域はそうそう無いとか。
しかし、空気を読み過ぎることで生じる弊害もあることは事実だ。
つまり言いたいことが言えない、ということである。
本当は言いたいことがあるけれども、周りの空気はそれを良しとする雰囲気ではないから、それを発現することを我慢してしまうということはよくあることではないだろうか。
言いたいことをなりふり構わずいうことは、特に日本では歓迎されないが、こんなことを聞いたことがある。
どんなに傲慢だった人でもいざ死の床につくと、本当は言いたかったけど言えなかったこと、伝えたいことがあったのに伝えることができなかったことなどを後悔しながら死んでいくというのだ。
普段から空気を読んで、それに抗わず我慢ばかりしている人は、死の床で一体どんなことを思うだろう。
故スティーブ・ジョブズはこんなことを言い残している。
「人間最後は必ず死ぬのだ。そして、あの世へは何も持ってはいけないのだ。そう思えば失うものなど無い」
結局のところ、空気を読んで行動することは大切なことであるが、時にはそれを断ち切って発現することが重要であるはずだ。
これは誰もがわかっていることなのだが、なかなか実践するとなると難しいものだと思う。
しかし、我々日本人は世界的に見るとすでに空気を読む力は身についていると言われているのだから、空気を読んで我慢する訓練などする必要は既に無くて、後はそれを断ち切る訓練さえ積めればそれでいいのではないだろうか。
日本人が空気を断ち切って発現する能力を身に付ければ、それは世界で活躍できる人種に一歩近づくものとなるだろうし、きっとその人の人生も後悔の少ないものとなるのではないかと思う。
新しい環境へ飛び込んで、さらに海外のことについて色々調べているとこんなことを考えた。
僕は空気を断ち切れる人間になれるだろうか。
伝えたいことはちゃんと伝えることのできる、後悔の少ない人生を送れるだろうか。
あなたは...?
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