原発復活のために
原子力発電の是非は、今なお議論され続けている。
もしかしたら原子力発電は完全なる悪なのかもしれない、そんな中で僕らは原子力発電の原理を学校で勉強したりしている。
前々からこの現状に違和感を抱かずにはいられなかった。
原子力発電に関して、父と昨日交わした会話を、ここに残しておく。
テレビで、九州電力が原子力発電の再稼働が困難であるというニュースが流れ、それに対して僕が言及する。
僕 九州の原子力発電が厳しいって言うなら、日本の原子力発電はもう復活しないだろうって感じだね。地震なんて滅多に起きないのに。
父 それでいいんだよ。原子力にはもうチャンスは無いんじゃないか。
僕 そうかなあ。九州の原子力発電が安全地帯で頑張れば、全国の発電所ももう一度考える機会になると思うけどな。
父 原子力発電なんてなくなればいいじゃないか。
僕 そうは思えないなあ。確かに危険性はあるけれど、それ以上のメリットが有ると思うよ。
父 まだ若くて、どこへでも身軽に移動できるからそんなことを言えるんだ。家庭を持って、暮らし始めてみろ。原子力のせいで住んでいる所が汚染されでもしたら人生変わってくるぞ。
僕 まあ確かにそれは厳しい現実だけどさ、多かれ少なかれリスクが伴うことは仕方がないと思うんだよ。
父 それが大きすぎるって言ってるんだ。
僕 でもそれだけ大きなメリットも有るよね?例えば車だってリスクを背負ってるじゃん。
父 車は被害の範囲が小さいだろ。
僕 そうだよ。でも得られるメリットも少ない。自分と何人かを運べるだけで、そして何人かを巻き込むリスクを持ってる。原子力にしろ車にしろ、まあリスクとメリットが釣り合ってるとは簡単には言えないけどさ、考え方は同じなんじゃないのかな。
父 確かに大きなリスクにばかり目が行きがちなのは、わからないこともない。でも原子力はその土地にまで影響を与えるんだぞ。同じ尺度では測れないものがあるように思うが。
僕 車だって土地に影響を与えてるじゃん。土地どころか、地球レベルで。車が出す排気ガスは大きな悪影響を及ぼしてると思うよ。
父 確かにそれはそうだな・・・
僕 それに、車は正常に動いていて、なおかつ地球を危険にさらし続けてるよね。原子力は事故が起きない限りはそんなに影響ないんだから、その点ちょっとは優ってるんじゃないかなとは思うけど。考え方によっては。
父 分かった。その技術や手段だけ見れば、原子力発電は頭から否定できるものじゃないかもしれない。ただ、そこには人間の意志というものが入ってくる。考えてみろ、原子力発電所がテロに狙われたりしたらどうなる?車がいちいち狙われるか?
僕 テロかあ。なんかそれはちょっと卑怯じゃない?突拍子もないような。
父 卑怯なもんか。十分起こりえる話だと思うぞ。
僕 確かに考えてはなかったな。・・・人間の意志ね。そういえば福島の原子力発電の事故も人為的なものが関わってたとかどうとか言ってたな。
父 そうだ。人間の意志がそこにある限り、大きなリスクを抱えているということ自体が良くないんだ。メリットがどうであれな。
僕 断言できるわけではないのかもしれないけど、その考え方は正しいかもね。ただ、技術自体はうまく使えば必ず良い結果をもたらすとは思ってる。原子力発電もしかり。
父 だな。結論としては、技術は悪くない。だけどそこに人間の意志が加われば、それは悪となる。 そして人間の意志は必ず影響する。だから俺は原子力発電には反対だ。
僕 そっかあー。わかったよ。でも僕は工学専攻でやっぱり技術は世に出てなんぼだと思ってるから、原子力発電は応援したい。いつか父さんを説得できるようになっておくよ。
父 まあ無駄だと思うけど頑張れよ。
といった流れだった。
僕も父も詳しい人間ではないので、間違ってることも言っただろう。
でもこうやって議論していくことで、少しづつ理解が深まっていくものではないかなと思う。
僕は原子力発電に復活してほしい。
何も知らないのに、何も自分の意見なんて持っていないのに、メディアの言葉に触発されて頭から否定することしかできない人間を見ていると、本当にイライラする。