小説なんて読まなくていい

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僕は本を読むのは比較的好きな方で、昔からコンスタントに小説は読んでいる。

そしてここ半年くらいは驚くほど暇だったので、とにかく本を読みあさった。

 

図書館には週2位で通って、ひたすら本に接する機会というものを作ってみる必要があるんじゃないかと思ったのだ。

 

 

 

本を読みなさい

 

上に「必要があるんじゃないか」という言い方をしたけど、これは昔からよく「本を読みなさい」と色んな所で見聞きしてきたからだ。

日本人は本当に、よく言われているような気がする。

僕らにはきっと本を読むという作業が必要で、それを実践するのがその時だと思ったのである。

 

本を読み漁っていたころは、だいたい週に5冊くらいの本を読んだ。

ジャンルは意図的に多岐にわたらせ、小説、エッセイ、伝記のようなもの、自己啓発、how to、洋書、専門書など、様々な本を読んだ。

それなりに楽しく、ただ多読するという目的と、本から学ぶという目的のために読書を続けた。

その結果、小説は読む必要がないんじゃないかと思い始めたのだ。

 

 

小説は読まなくていい

 

たくさんの本を読むことを目的として初めて見たものの、それは「本を読みなさい」という啓発に応えることにはならないような気がした。

読書を楽しみなさいという意味も含まれているのかもしれないが、やはり本から何かを学ぶことが必要なんじゃないかと思うのだ。

 

そして小説はあまり賢い選択ではないのではないかと思い始めた。

つまり、本を読むことには娯楽としての側面と勉強としての側面があるかと思うが、本と言われてすぐに連想する小説からは学べることは正直言ってかなり少なく、それは娯楽でしかないように思えるのだ。

それも、娯楽としての質さえ高くないように感じる。

 

どの小説を読むかによってそれは変わってくるものだけれど、なるべく面白そうな本を選んで読むことを前提とすると(わざわざ面白くもなさそうな本を選ぶ人は少ないだろう)、小説を読むのという事自体は確かにそこそこ面白いとは思う。

しかし、単に娯楽として考えるとそれは一人で楽しむもので、例えばゲームとかと似たようなスタンスになるんじゃないかなあと、そして、小説はゲームには劣るんじゃないかと思うのだ。

小説がストーリーを楽しむものであるならRPGには劣ってしまうような気がするし、迫力を楽しむものであるならアクションには劣ってしまうように感じる。

雰囲気を楽しむものでもあるかもしれないが、文章に加えて映像、音楽などをフルに使えるゲームには小説は勝てないのではないのかなあと思うのだ。

読み終えたあとは少なからず疲労感を覚えるし、小説は娯楽として不完全ではないかと思う。

「楽しめればそれでいいじゃん」という考え方もあるけど、小説はその理論が使えるほどぶっ飛んで面白いものでもないと思うのだ。

小説には小説にしかない楽しみがあるだろう、ともいえるが、本を読みなさいという言葉から「小説で楽しみなさい」というニュアンスは全く伝わってこない。

単純に娯楽としてどうか、という点で考えると、やはり劣っているんではないかと思うのだ。

 

そして、小説からは学べることは極めて少ないと感じる。

前のエントリに、本の良さとしてイマジネーションの余地があることを挙げたが、(具体性を欠け! - ボクだけのレンズを通してその余地によって得られる想像力や考察力、感性を小説から身につけることはできるかとも思う。しかしそれは他のジャンルからも同様にできるトレーニングのはずである。

登場人物の生き様を読むことで考え方を学ぼうというのなら、偉人の伝記などがよっぽど雄弁に人生論について語ってくれるだろう。

小説を読むだけで文章力がつくとは到底思えないし(ブログ書いたほうがマシだと思う)、読む力を養いたいなら専門書のほうがより質の高いトレーニングになる。

 

小説は、娯楽としても勉強としても劣っているのだ。

 

 

本から学ぶ

 

本から何かを学ぼうとするのなら、ある程度ジャンルを絞る必要があるんじゃないかなと思う。

自己啓発本はそこから何か感じてもそれらを実行に移さないことには意味が無いので、本自体から学ぶといった意味では実現しがたい。

それが知識であるというだけで価値が生まれる、そんなことが学べる本がいいと思うのだ。

それらはやはり専門書に多く現れており、本から何かを学ぼう、「本を読みなさい」の真意に応えようとするなら、専門書を読む事こそ近道なのではないかと考えている。

専門書と言っても簡単なものはたくさんあり、僕は今その簡単な哲学や経済学の本を読んでみたりしている。

また、洋書を読んだりもしてみたけれど、語学の勉強のためというのならいいかもしれないと思う。

 

本を読むことは、数ある勉強法の中では楽しめる成分が多く入っている方かなあと思うし、学ぶ質としても優秀な手段だといえると思う。

ただ言いたいのは、何かを学ぼうとして本を読んもうとしているのに、小説とか新書ばかりを選んでいるのでは、全く力は付いてこないんじゃないかということだ。

 

日本人はよく「本を読みなさい」と言われるけれど、それにあなたが応えようとしているなら、きっと小説なんて読まなくていいと、そう言いたいのである。